高齢者はうつ病の症状が分かりにくい
高齢者になると、筋力が衰えて自由に動けなくなる人が多いです。免疫力の低下で病気にかかってしまうという人も少なくありません。自分の行動が制限されているため、多くのストレスを抱え込んでしまいます。この状態が改善しないままだと、うつ病を発症してしまう恐れがあります。しかし、高齢者のうつ病は見逃されてしまうことが多く、うつ病をメンタルヘルスの不調と捉え放置している間に重症化してしまうことも。そのため、日頃からしっかり観察する必要があります。
心身に不調をきたしている高齢者に対して、「病気や怪我のせいで一時的に気分が落ち込んでいるだけだ」という思い込みは危険です。いつもと様子が違うと感じた時は、早めに医療機関へ受診しましょう。しかし、認知症など他の病気と勘違いされてしまうこともあるため、医師に診てもらう時は普段と違う点について詳しく伝えなければなりません。適切な治療が行われないと、回復が遅くなってしまいます。 うつ病の回復には、周囲の理解と適切なフォローが必要です。大事なポイントは、うつ病の発症を疑うことと適切な医療機関で受診すること、その後のケアを積極的に行うことです。高齢者に無理をさせず、軽い運動を促したり気分転換させたりして、少しずつ回復の手助けをしてください。間違っても病気になったことを責めたりしてはいけません。周りに迷惑をかけている、自分の事を悪く言う人間がいるという思いが、うつ病の回復を遅くしてしまうからです。